「今すぐ、美味しいドーナツが食べたい!でも専用の型がない…」そんなお菓子作り好きの皆さんのお悩みを解決します。実は、ドーナツ作りは専用の型がなくても、家にある身近なアイテムで驚くほど簡単に、そして美味しく作れるのです。
お椀やペットボトルのふた、アルミホイル、さらにはクッキー型まで。これらの代用品を賢く使えば、まるでお店で売っているような、あるいは手作りならではの温かみのあるドーナツが完成します。この記事では、生地がしっかりした「揚げドーナツ」と、生地が柔らかい「焼きドーナツ」、それぞれのタイプに最適な代用品を全12種類を徹底的に解説します。
さらに、失敗しないための重要なコツ、代用品を使う際の安全上の注意点、作ったドーナツをさらに楽しむデコレーションのアイデアや保存方法まで、あなたが知りたい情報をすべて網羅しました。この記事を読み終える頃には、型がないことを言い訳にせず、自信を持ってドーナツ作りに挑戦できるようになっているはずです。
ドーナツ型の代用が可能な理由と基本知識
「本当に型なしで大丈夫?」と不安に思うかもしれませんが、心配は無用です。なぜ代用品でドーナツが作れるのか、その理由と、代用品を選ぶ前に知っておきたいドーナツの基本知識から解説します。
なぜ代用品でドーナツが作れるのか
ドーナツの型がなくても作れる理由は、大きく2つあります。1つは、ドーナツ生地の多くが比較的扱いやすく、手でもある程度の成形が可能なこと。もう1つは、私たちの身の回りには、ドーナツの「丸い形」と「中央の穴」を作り出せるアイテムが豊富にあるためです。しかし、上手に作るには、作りたいドーナツの種類に合わせた代用品を選ぶことが重要になります。
揚げドーナツと焼きドーナツの違い
ドーナツには大きく分けて、油で揚げる「揚げドーナツ」とオーブンで焼く「焼きドーナツ」の2種類があります。この2つは生地の固さ(粘度)が全く異なるため、使うべき代用品も変わってきます。この違いを理解することが、代用品選びで成功するための最初の、そして最も重要なステップです。
種類 | 特徴 | 生地の固さ | 作り方のポイント |
---|---|---|---|
揚げドーナツ (イースト/ケーキ) |
外はサクッ、中はふんわり・しっとり。食べ応えがある。 | 固め (手で丸められるパン生地に近い) |
型で抜いたり、手で成形したりできる。 |
焼きドーナツ | ケーキやマフィンのような、ふんわり優しい食感。ヘルシー。 | 緩め (ホットケーキ生地のように流動性がある) |
型に生地を流し込んで作るため、型抜きは不可。 |
作りたいレシピがどちらのタイプなのかをまず確認し、最適な代用品を選びましょう。
【揚げドーナツ用】代用品5選と使い方
パン生地のようにしっかりしていて型抜きしやすい揚げドーナツには、身の回りの「丸いもの」が活躍します。ここでは、特におすすめの5つの方法をご紹介します。
①お椀とペットボトルのふた【最もおすすめ】
最も手軽で、綺麗な形に仕上がる王道の組み合わせです。どのご家庭にもあるもので、いつでも挑戦できます。
使用するもの:
- 味噌汁用のお椀(直径10〜12cm程度)
- ペットボトルのふた(直径約3cm)
- 薄力粉(打ち粉用)
- 少量のサラダ油(型に塗る用)
手順:
- ドーナツ生地をめん棒で5mm〜1cm程度の厚さに伸ばします。
- お椀とペットボトルのふたの内側に、指で薄くサラダ油を塗っておきます。これが生地の付着を防ぐ重要なポイントです。
- お椀を逆さにして生地に押し当て、外側の円を抜きます。
- 抜いた円の中心を、ペットボトルのふたで抜いて穴を開けます。
- 生地が崩れないよう、慎重に型から取り外したら完成です。
メリット:入手しやすく、市販のドーナツ型とほぼ同じサイズ感で作れるため、仕上がりのイメージがしやすいです。
デメリット:特にありませんが、お椀のフチの厚みによっては抜きにくい場合もあります。
②お椀(コップ)とクッキー型【アレンジ重視】
ドーナツの穴の形をアレンジして、オリジナリティあふれるドーナツを作りたい方におすすめの方法です。
使用するもの:
- お椀またはフチの薄いコップ
- 各種クッキー型(ハート、星、花など)
手順:
基本はお椀とペットボトルのふたの方法と同じです。中心の穴を抜く際に、お好みのクッキー型を使用するだけ。ハートや星形の穴が空いたドーナツは、お子様にも大人気で、パーティーなどでも喜ばれます。
メリット:手作りならではのユニークで可愛いドーナツが作れます。
デメリット:複雑な形のクッキー型は、揚げた際に形が崩れやすいことがあります。まずはシンプルな形から試すのがおすすめです。
③絞り袋・ビニール袋【手軽さ重視】
洗い物を最小限に抑えたい、とにかく手軽に作りたい、という場合に最適な方法です。
使用するもの:
- 絞り袋、または厚手の保存袋(ジップロックなど)
- はさみ
- クッキングシート
手順:
- ボウルを使わず、最初から袋に材料を入れて生地を作るとさらに手軽です。
- 生地を袋の一方の角に集め、その角を1〜1.5cmほどはさみで切ります。
- 10cm四方にカットしたクッキングシートの上に、円を描くように生地を絞り出します。
- 絞り始めと絞り終わりのつなぎ目を、指でしっかりとなじませて閉じるのが形を綺麗に保つコツです。
- 揚げるときは、クッキングシートごと油に入れ、自然にシートが剥がれたら取り出します。
メリット:手や調理器具が汚れにくく、後片付けが圧倒的に楽です。
デメリット:均一な太さや大きさの円にするには少し慣れが必要です。
④手で成形【基本テクニック】
道具が何もない場合でも、自分の手だけで成形できる、まさに基本のテクニックです。
適した生地:イーストドーナツなど、パン生地に近くベタつきの少ない、比較的固めの生地。
手順:
- 生地を適量ちぎり、手のひらで優しく丸めてボール状にします。
- 両手の親指に打ち粉(薄力粉)をつけ、ボールの中心に差し込んで穴を開けます。
- 穴に指を入れたまま、くるくると回すようにして均等な輪になるように広げていきます。
メリット:道具が一切不要で、手作り感あふれる素朴な形のドーナツが作れます。
デメリット:生地がベタつく場合は扱いにくく、大きさや形を均一にするのが難しいです。
⑤スプーンを使った成形【簡単ボール型】
穴の開いていない、コロコロとした可愛いボール型ドーナツ(ポップドーナツ)を作る方法です。
特徴:リング状にはなりませんが、サーターアンダギーやチュロスのような食感を楽しめます。
手順:
- スプーンを2本用意します。
- 片方のスプーンで生地をすくいます。
- もう片方のスプーンを使って、形を丸く整えます。
- そのまま滑らせるように、そっと油に落として揚げます。
メリット:成形が非常に簡単で、子供と一緒に楽しめます。短時間で火が通るのも利点です。
デメリット:リングドーナツは作れません。
【焼きドーナツ用】代用品4選と使い方
ホットケーキミックスのように生地が緩い焼きドーナツには、生地を流し込んで形を保持できる「器」状の代用品が必要です。オーブンで使うため、耐熱性が絶対条件となります。
①アルミホイル型【手作り感重視】
コストをかけず、好きなサイズの型を自作できる方法です。使い捨てできるのも衛生的です。
使用するもの:
- アルミホイル(厚手のものが推奨)
- 型取り用のお椀やコップ
- 型取り用のペットボトルのふた
作り方:
- アルミホイルを30cm四方程度に切り、強度を出すために4〜6重に折りたたみます。
- お椀やコップの底を押し当てて、外側の円形を作ります。
- 中心部分にペットボトルのふたなどを置いて、周りを立ち上げるようにして中央の突起を作ります。
- 生地が漏れないように、形をしっかりと整えたら完成です。内側に薄く油を塗るか、クッキングシートを敷くと取り出しやすくなります。
強度アップのコツ: 牛乳パックの空き箱をリング状にカットして土台にし、その内側にアルミホイルを敷くと、より安定した型になります。
メリット:自由なサイズで作れ、コストがほぼかかりません。
デメリット:作るのに手間がかかり、強度が低いため生地を流し込むと形が歪みやすいです。
②シリコンカップ・紙コップ【手軽さ重視】
お弁当やマフィン作りで使うカップを流用する方法。手軽で失敗が少なく、初心者におすすめです。
使用できるもの:
- マフィン用のシリコンカップ
- おかず用のシリコンカップ
- 耐熱性の紙コップやプリンカップ
注意点:穴は開きませんが、美味しいカップドーナツ(マフィンに近い)が出来上がります。焼きあがった後にクリームやチョコでデコレーションすれば、十分にドーナツらしさを演出できます。使用する際は、必ず製品に表示されている耐熱温度を確認してください。
メリット:非常に手軽で、生地が漏れる心配もありません。カラフルなカップを使えば見た目も華やかになります。
デメリット:リング状にはならず、仕上がりはマフィンやカップケーキに近くなります。
③他のお菓子型の流用【本格仕上げ】
もし他のお菓子作り用の型を持っているなら、それが立派な代用品になります。
使用できる型:
- マフィン型(特にミニサイズがおすすめ)
- マドレーヌ型(シェル型など)
- プリン型
選び方のポイント:焼きドーナツの生地は火が通りにくいことがあるため、一度に焼く量が多い大きな型より、小さめの型を選ぶのが成功のコツです。シリコン製やフッ素加工されたものが、型離れも良くおすすめです。
メリット:熱伝導が良い金属型などを使えば、本格的で均一な焼き上がりが期待できます。
デメリット:もちろん、ドーナツ特有のリング状にはなりません。
④絞り袋での直接成形【上級者向け】
天板に直接、焼きドーナツの生地をリング状に絞り出して焼くテクニックです。
使用するもの:
- 絞り袋または厚手の保存袋
- クッキングシート
- はさみ
手順:
- オーブンの天板にクッキングシートを敷きます。
- 生地を入れた絞り袋の先端を切り、クッキングシートの上に直接、円形に絞り出します。
- そのままオーブンで焼きます。生地が柔らかいため、多少広がってしまいます。
メリット:うまくいけば、専用型で作ったようなリング状の焼きドーナツに近い仕上がりになります。
デメリット:生地が緩いため、絞り出した後に形が広がってしまい、穴が塞がったり、形が崩れたりしやすいです。生地の固さ調整が重要で、上級者向けのテクニックと言えます。
【番外編】型なしで作る成形テクニック3選
型を「抜く」のではなく、生地を「組み立てる」ことで作る、ユニークな成形方法もあります。主に揚げドーナツ向きのテクニックです。
①生地を棒状にして輪にする方法
最もシンプルな方法の一つです。生地を一度棒状に伸ばし、その両端をつなげて輪っかを作ります。つなぎ目は生地が離れないように、指でしっかりとつまんでなじませるのがコツです。
②ツイスト成形
見た目がおしゃれなツイストドーナツを作る方法です。生地を2本の細い棒状に伸ばし、その2本を優しくねじり合わせて縄状にします。最後に端と端をつなげて輪にすれば完成。カフェで出てくるような美しいドーナツになります。
③ちぎりパン風ドーナツ
パーティーなどで盛り上がる、ちぎりパン風のドーナツです。生地を小さく6〜8個に分けて丸め、それらを円形に並べてくっつけます。花のような形になり、揚げた後にみんなでちぎって食べる楽しさも味わえます。
代用品を使う際の重要な注意点とコツ
手軽な代用品も、使い方を間違えると失敗や思わぬ事故につながる可能性があります。安全に、そして美味しく作るための重要なポイントを必ず守ってください。
安全性に関する最重要注意点
電子レンジ使用時の禁止事項:
レシピによっては、電子レンジで加熱して作るものもあります。その際、アルミホイルや金属製の型(クッキー型含む)は絶対に使用しないでください。電子レンジ内で火花が散り、発火して火災につながる大変危険な行為です。
耐熱温度の確認:
オーブンで焼きドーナツを作る場合、代用品の耐熱温度は必ず確認しましょう。特にプラスチック製品は耐熱温度が100℃以下のものも多く、オーブンでは使用できません。シリコン製品は200〜230℃程度のものが多く安全ですが、製品ごとに表示を確認する習慣をつけましょう。
揚げ油の取り扱い:
揚げ物調理は、火傷や火災のリスクが伴います。調理中は絶対にその場を離れないでください。油の温度が上がりすぎた場合は、慌てずに火を止め、濡らした布巾などを鍋にかぶせてください(水を直接入れてはいけません)。調理後の油の処理も、自治体のルールに従って適切に行いましょう。
成功のためのコツ
- 生地がくっつくのを防ぐ: 型抜きや成形をする前には、型に薄く油を塗るか、打ち粉(薄力粉)をふるっておきましょう。この一手間で、驚くほどスムーズに作業が進みます。
- 適切な温度管理: 美味しさの鍵は温度です。揚げ油は160〜170℃が理想。オーブンは必ずレシピ通りの温度で予熱を完了させてから焼き始めてください。
- 生地の扱い方: 打ち粉は使いすぎるとドーナツが固くなる原因になるので、薄くつける程度に。また、型抜き前に生地を冷蔵庫で10分ほど休ませると、グルテンが落ち着き、形が崩れにくくなります。
作ったドーナツをより楽しむ!簡単デコレーションアイデア
シンプルなドーナツも美味しいですが、少し手を加えるだけでお店のような仕上がりになります。お子さんと一緒に楽しめる簡単なアイデアをご紹介します。
- チョコレートコーティング:湯煎で溶かした板チョコをドーナツの表面につけ、乾かせば完成。ホワイトチョコやストロベリーチョコで色を変えたり、チョコスプレーやナッツを散らしたりするのも定番です。
- グレーズ(アイシング):粉砂糖に少量の水や牛乳、レモン汁を加えて混ぜるだけで作れる砂糖のコーティングです。シャリシャリとした食感が楽しめます。
- きな粉・シナモンシュガー:揚げたての温かいドーナツを、きな粉や、砂糖とシナモンを混ぜたものが入った袋に入れて振るだけ。素朴で懐かしい味わいです。
- あんこやクリームを詰める:ボール状に作ったドーナツに切り込みを入れ、あんこやホイップクリーム、カスタードクリームを挟めば、豪華なクリームドーナツになります。
手作りドーナツの保存方法と温め直しのコツ
たくさん作っても、正しく保存すれば美味しさが長持ちします。保存方法と、美味しく食べきるための温め直しのコツを知っておきましょう。
保存方法:
- 常温保存(当日〜翌日):乾燥しないようにラップで包むか、密閉容器に入れ、涼しい場所で保存します。揚げドーナツは当日中に食べるのが最も美味しいです。
- 冷蔵保存(2〜3日):ラップで包み、密閉容器や袋に入れて冷蔵庫へ。少し固くなりますが、温め直せば美味しく食べられます。
- 冷凍保存(約1ヶ月):デコレーション前のシンプルな状態で、1つずつラップに包んでから冷凍用保存袋へ。最も長持ちする方法です。
温め直しのコツ:
冷蔵・冷凍したドーナツは、電子レンジ(600Wで20〜30秒)で少し温めた後、オーブントースターで1〜2分焼くと、外はカリッと、中はふんわりとした出来たての食感が復活します。
100均でドーナツ型は買える?代用品との比較
代用品も便利ですが、「やっぱり専用型が欲しい」と思う方もいるでしょう。実は、ドーナツ型は100円ショップでも手軽に購入できます。
100均での購入情報
ダイソーやセリアなどの大手100円ショップでは、シリコン製の焼きドーナツ型が販売されていることがあります。一度に6個焼けるようなタイプが110円〜330円程度で見つかることが多いです。ただし、非常に人気のある商品のため、店舗によっては品薄だったり、取り扱いがなかったりすることも。見かけたら購入を検討してみるのも良いでしょう。
専用型 vs 代用品 徹底比較
項目 | 専用型(100均含む) | 代用品 |
---|---|---|
コスト | 110円〜数千円 | 0円(家にあるもの) |
仕上がりの均一性 | ★★★★★(非常に高い) | ★★☆☆☆(ばらつきが出やすい) |
手軽さ(思い立った時) | ★★★☆☆(持っていれば) | ★★★★★(いつでも作れる) |
アレンジの自由度 | ★★☆☆☆(決まった形のみ) | ★★★★☆(アイデア次第で色々) |
専用型を買うべきタイミングは?
月に1回以上など、ドーナツを頻繁に作るようになったり、一度にたくさん、形の綺麗なドーナツを作りたいと思ったりした時が、専用型の購入を検討する良いタイミングです。
まとめ
ドーナツの専用型がなくても、家にあるものを工夫すれば、誰でも簡単に美味しいドーナツが作れることをお分かりいただけたでしょうか。
最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。
- ✅ 生地の違いを理解する:固い「揚げドーナツ」と緩い「焼きドーナツ」で代用品を使い分ける。
- ✅ 揚げドーナツには:「お椀+ペットボトルのふた」の組み合わせが最も簡単で確実。
- ✅ 焼きドーナツには:「シリコンカップ」や「アルミホイル型」が手軽で便利。
- ✅ 安全第一:代用品の耐熱温度や材質を必ず確認し、火傷や火災には十分注意する。
- ✅ まずは試してみる:失敗を恐れず、まずは少量で気軽にチャレンジしてみましょう。
あなたも今日から、型がないことを理由に諦める必要はもうありません。この記事を参考に、まずは一番簡単な「お椀とペットボトルのふた」から、手作りドーナツに挑戦してみませんか?きっと、家族や友人の笑顔が広がる、素敵な時間が待っているはずです!